「古着ブームはいつまで続くのか」「もう終わったのではないか」と疑問を持つ方も多いでしょう。
確かに2020年前後の爆発的な盛り上がりと比べると、メディア露出は減少しています。しかし実際には、2024年で約5,830億円、2025年には6,230億円規模まで拡大すると予測されるほど、古着市場は今も成長を続けています。
本記事では、古着ブームの現状から2026年以降の市場予測、なぜ人気なのか、そして1990年代の第一次ブームから現在までの歴史まで、データに基づいて徹底分析。古着ブームの真実をお伝えします。
古着ブームの現状|実は今も右肩上がり
「古着ブームって最近聞かなくなったけど、もう終わったんじゃない?」そう思っている方もいるかもしれませんね。確かに2020年前後の爆発的な盛り上がりと比べると、メディアで取り上げられる頻度は少し減った印象があります。
でも実は、古着市場は今も成長を続けているんです。
繊研新聞の調査によると、2024年の古着市場規模は前年比約107.8%の5,830億円に達する見込み※1。さらに2025年には6,230億円規模まで拡大すると予測されています※2。
下北沢では古着屋が100店舗から180店舗超えまで増加していますし、原宿の明治通りや郊外のショッピングセンターへの新規出店も相変わらず活発なんですよ。
なぜ「落ち着いた」と感じるのか。それは古着がユニクロやZARAと並ぶ日常の選択肢になってきたからなんですよね。ブーム初期の熱狂は落ち着いたけど、その分生活に溶け込んできたってわけ。
SNSでは今も古着コーディネートが毎日投稿されていますし、ユニクロなど大手ブランドも古着プロジェクトを継続中です。
『メディアでの露出は減っても、市場としては確実に成長している』これが古着ブームの現在地なんです。
※出典:古着市場の最前線、2025年には6,000億円超の見込み|繊研新聞
古着ブームはいつまで続く?2026年以降の市場予測
この古着ブームは今後どうなっていくんでしょうか?ここでは2026年以降の古着市場を、3つのシナリオで予測してみます。
- シナリオ①ブーム継続・拡大|古着市場さらなる成長へ
- シナリオ②定番化・成熟|ファッションの一部として定着
- シナリオ③縮小・転換|新たなトレンドへのシフト
それぞれのシナリオで何が起こりうるのか、具体的に見ていきましょう。
シナリオ①ブーム継続・拡大|古着市場6000億円超えへ
最も楽観的なシナリオは、ブームがさらに拡大していくパターン。2024年で約5,830億円、2025年には6,230億円規模と予測されている古着市場が、この成長率を維持すれば7,000億円超えも視野に入ってきます。
<成長を後押しする4つの要因>
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| オンライン販売の拡大 | メルカリなどフリマアプリで、古着を買うハードルが下がる |
| 地方都市への広がり | 東京中心だった古着シーンが地方都市でも盛り上がる |
| テクノロジーの活用 | AIによる業務効率化で古着屋の経営が安定し、市場全体が底上げされる |
| サステナビリティ意識の浸透 | 環境問題への関心が高まり、古着が「エコな選択肢」として支持される |
このシナリオでは、古着は単なる「ファッションの選択肢」を超えて、より大きな文化的ムーブメントとして定着していくことになります。
シナリオ②定番化・成熟|ファッションの一部として定着
最も現実的なのが、このシナリオ。爆発的な成長は鈍化するものの、市場は6,000億円前後で安定的に推移します。
古着はユニクロやZARAと並ぶ「普通のファッション選択肢」として完全に定着するんです。
- 一部の高額ヴィンテージは価格高騰が続く
- レギュラー古着の需要は安定的に推移
- 古着コーディネートがSNSで当たり前の光景に
- 30代、40代など幅広い世代が日常的に古着を着用
- 古着屋の淘汰が進み、生き残った店舗は安定経営を実現
このシナリオの特徴は「静かな成長」。メディアでの露出は減るかもしれませんが、市場としては健全に回り続ける状態です。
ブームという一過性のものではなく、文化として根付いた証拠といえますね。
シナリオ③縮小・転換|新たなトレンドへのシフト
可能性は低いものの、ブームが縮小するシナリオも考えられます。ファッショントレンドが大きく変化して、古着のテイストと合わなくなる場合ですね。
たとえば、極端にシンプルなスタイルやテクノロジーを全面に出したサイバーファッションが主流になれば、ヴィンテージ古着の需要は一時的に落ち込むかもしれません。
ただし、90年代の第一次ブーム後も古着文化は完全に消えたわけじゃありませんでした。仮にブームが落ち着いても、リメイクやアップサイクルなど、古着を活用した新しい文化が生まれる可能性は高いです。
古着そのものを着るよりも、「今ある服を大切にする」という考え方が、別の形に変わっていくイメージですね。また、このシナリオでもマニア層やコレクター層は残り続けるはず。
希少なヴィンテージアイテムは投資対象としての側面もあるため、市場が完全に消えることは考えにくいでしょう。
古着ブームはなぜ起きた?人気の5つの理由
ここまで現状と未来を見てきましたが、そもそもなぜ今また古着ブームが起きたんでしょうか?現在の古着人気を支える5つの理由を解説していきます。
- 個性を出しやすい|ファストファッションとの差別化
- SNSの普及|古着コーデが簡単に見つかる時代
- トレンドの変化|90年代ルーズシルエットの復活
- サステナビリティ意識|環境に優しい選択肢
- コスパのよさ|質の高いアイテムが手頃な価格で
それぞれ詳しく見ていきましょう。
理由①個性を出しやすい|ファストファッションとの差別化
ファストファッションの普及で、同じ服や似た服が街に溢れるようになりました。
「気づいたら友達とおそろいコーデになってた…」なんて経験、ありますよね?これってけっこう気まずいんですよ。
- 基本的に一点物だから他人と被らない
- 50〜90年代の個性的なデザインが手に入る
- 経年変化による独特の風合いや色落ちが魅力
- 新品では出せない雰囲気がある
とくにZ世代を中心とした若年層は「まわりと違うファッションがしたい」「自分らしさを表現したい」って意識が強いんですよね。
SNSで自分のスタイルを発信する文化も広がっていて、古着は個性を際立たせるアイテムとして重宝されています。ファストファッションで同じ服を着る人が増えたからこそ、古着で差をつけたい人が増えているってわけです。
理由②SNSの普及|古着コーデが簡単に見つかる時代
InstagramやTikTokなどSNSの普及も、古着ブームを一気に加速させました。
以前は雑誌でしか見られなかった古着コーディネートが、今ではスマホで無限にチェックできちゃいます。
- 「古着女子」などのアカウントがフォロワー数十万人規模に成長
- 芸能人やインフルエンサーの古着スタイルが毎日見られる
- メルカリなどフリマアプリで売買が超手軽に
- スマホひとつで全国の古着が買える
- 「見る→欲しくなる→買う→投稿する」のサイクルが生まれた
情報へのアクセスが簡単になったことが、古着のハードルを一気に下げたんですよね。実店舗に行かなくても、家にいながら古着を楽しめるようになったのが大きいです。
理由③トレンドの変化|90年代ルーズシルエットの復活
ファッショントレンドの変化も無視できません。2000年代から続いたスキニースタイルから、近年はワイドパンツやオーバーサイズのルーズシルエットが主流に。
これって、まさに90年代のストリートファッションそのものなんです。
<今のトレンドと古着の相性>
| トレンドアイテム | 古着で見つかるもの |
|---|---|
| ビッグシルエットのスウェット | 90年代のChampion、NIKE |
| ワイドパンツ | 当時のLevi’sやCarhartt |
| オーバーサイズのTシャツ | Ralph Lauren、Tommy Hilfiger |
| Y2Kスタイル | 2000年代のタイトめシルエット |
当時のギャップなどのアイテムが「オールドギャップ」として再評価されて、高値で取引されています。
新品で買うより古着で探したほうが、本物の90年代のテイストが出せるんですよね。古着市場には幅広い年代のアイテムが揃っているから、どんなトレンドにも対応できる強みがあります。
理由④サステナビリティ意識|環境に優しい選択肢
環境問題への意識の高まりも、古着人気の背景にあります。
ファッション業界は大量生産・大量廃棄による環境負荷が問題視されていて、とくに欧米ではファストファッションを支持しない動きも広がっているんです。
<古着が環境にやさしい理由>
| ポイント | 詳細 |
|---|---|
| 新たに生産しない | 服の寿命を延ばすことで廃棄量を削減 |
| 資源を節約できる | 水や染料、エネルギーを使わない |
| 労働問題を生まない | 既存のものを再利用するから |
「サステナブルファッション」という言葉も一般的になって、古着を選ぶことが環境貢献につながるという認識が広まりました。
「おしゃれを楽しみながら社会貢献できる」って、とくに若い世代に響くポイントなんですよね。
理由⑤コスパの良さ|質の高いアイテムが手頃な価格で
円安やインフレで物価が上昇する中、「少しでも安くファッションを楽しみたい」ってニーズも高まっています。
古着なら、新品より割安で質のいいアイテムが見つかることも珍しくありません。
- かつて定価2万円〜3万円のブランドシャツが3,000円〜5,000円で買える
- 90年代のアイテムは今のファストファッションより縫製がしっかり
- 生地の質もいいものが多い
- レギュラー古着なら手頃な価格帯が豊富
「同じ予算なら、古着のほうが長く着られて質もいい」という判断をする人が増えています。とくに学生や若手社会人にとって、限られた予算でファッションを楽しむための現実的な選択肢になっているんです。
新品だと手が届かないようなデザインや質感のアイテムも、古着なら気軽にトライできる。経済的な理由も、古着ブーム再燃の大きな要因ですね。
古着ブームの歴史|第一次から第二次までの変遷
古着ブームを深く理解するには、その歴史を知るのが一番。日本の古着文化には大きく2つのブームがありました。時代ごとの変化を追いながら、今につながる流れを見ていきましょう。
- 1970〜90年代|古着カルチャーの誕生と第一次ブーム
- 2000年代|ファストファッション台頭で一時停滞
- 2010〜20年代|ヴィンテージ概念の拡大と第二次ブーム
- 第一次と第二次、何が違う?比較表で一目瞭然
それぞれの時代を詳しく見ていきます。
1970〜90年代|古着カルチャーの誕生と第一次ブーム
日本に古着屋が生まれ始めたのは1970年代です。1972年に東京・千駄ヶ谷にオープンした「ハリウッド ランチ マーケット」や、1973年に原宿にオープンした「ブティック赤富士」が先駆け。
それまでは上野のアメ横に軍の払い下げ品を売る店はあったものの、ファッションとして古着を提案する店舗はほとんどありませんでした。
- 1976年:雑誌「POPEYE」創刊、アメカジブーム到来
- 1980年代:「バナナボート」「フェイクアルファ」「原宿シカゴ」などが続々オープン
- リーバイスの501XXや「ビッグE」が人気に
- 「ヴィンテージ」という言葉が生まれる
そして1990年代、古着ブームは黄金期を迎えます。雑誌「Boon」でヴィンテージデニム特集が度々掲載されて、製造年代の見分け方やスペックが詳しく分析されました。
全国の若者たちはこれを教科書として古着屋を巡ったんです。当時は「グッドイナフ」や「ア ベイシング エイプ」などの裏原系ブランドが人気で、アメカジと相性がよかったこともブームを後押ししました。
2000年代|ファストファッション台頭で一時停滞
2000年代に入ると、ヴィンテージ人気は一旦クールダウンします。
2000年代の大きな変化
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 2001年 | ディオール オムのスキニースタイルが世界的ヒット |
| 2006年 | トップショップ上陸 |
| 2008年 | H&M上陸 |
| 2009年 | フォーエバー21上陸 |
黒のスキニーパンツやタイトなライダースジャケットが流行して、ルーズなアメカジスタイルはメインから外れました。
990円ジーンズなど価格破壊が起こって、古着の「安い」という強みが薄れていきました。ヴィンテージデニムの価格も下がったといわれています。ただし、この時期も古着が完全に消えたわけじゃありません。
2000年にオープンした原宿の古着屋「ドッグ」は個性的な品揃えで海外セレブも訪れるほど話題に。デザイナーズブランドと古着を組み合わせたコーディネートも一部で見られました。
2000年代は古着カルチャーの多様化が静かに進んだ時代だったんです。
2010〜20年代|ヴィンテージ概念の拡大と第二次ブーム
2010年代に入ると、古着カルチャーはさらなる多様化を見せます。この時期の最大のトピックは「デザイナーズアーカイブ」の誕生。
- 欧米で日本のデザイナーズブランド古着の評価が高まる
- カニエ・ウェスト、トラヴィス・スコットが着用して人気に
- 「ラフ・シモンズ」「ヘルムート ラング」「コム デ ギャルソン」などの価格が急上昇
- デザイナーズブランドにも「ヴィンテージ」という言葉が使われるように
- 2010年:Instagram登場
- 2016年:ユナイテッドアローズ「エイチ ビューティ&ユース」が古着エリア設置
セレクトショップや百貨店で古着を取り入れたスタイルが増えて、古着の存在感が再び大きくなっていきました。
さらにSNSを通じて古着コーディネートが手軽に見られるようになったことも大きな転換点です。
- 2019年頃から古着人気が再燃
- 下北沢の古着屋が100店舗→180店舗超えに
- 原宿・明治通りなど都心一等地に大型古着屋がオープン
- 新宿ルミネ、郊外ショッピングセンターにも進出
- レギュラー古着が中心に(手頃な価格帯)
- 「オールドGAP」「オールドSTUSSY)などヴィンテージの概念がさらに広がる
第一次ブームとの大きな違いは、高額なヴィンテージだけじゃなくて、手頃な価格の「レギュラー古着」が中心になったこと。ギャップのアイテムが「オールドギャップ」として人気を集めたり、アニメTシャツに数十万円の値がついたりと、ヴィンテージの概念もさらに広がっています。
第一次と第二次、何が違う?比較表で一目瞭然
90年代の第一次ブームと現在の第二次ブーム、同じ「古着ブーム」でも中身は全然違います。主要な5つのポイントで比較してみましょう。
| 比較項目 | 第一次ブーム(90年代) | 第二次ブーム(現在) |
|---|---|---|
| 中心的な消費者 | マニア・愛好家層が中心 | 一般層・若年層全般に広がる |
| 人気の価格帯 | 高額ヴィンテージ中心 | レギュラー古着中心(幅広い価格帯) |
| 購入チャネル | 実店舗がメイン | 実店舗+オンライン(メルカリなど) |
| 購入動機 | 憧れ・コレクション | 個性・環境配慮・コスパ |
| 情報源 | 雑誌(Boonなど) | SNS(Instagram、TikTok) |
この違いが示すのは、現在の古着ブームのほうが「裾野が広い」ってこと。第一次ブームは一部のマニアが高額なヴィンテージを追い求める形でしたが、今は幅広い層がいろんな理由で古着を楽しんでいます。
購入の理由も多様化していて、コレクション目的だけじゃなく、日常のファッションの選択肢として古着が選ばれているんです。この違いが、ブームの持続性にもつながっていますね。
古着ブームは「終わり」じゃなく「定着」へ
古着ブームの歴史を振り返ると、一時的な流行ではなく、時代に合わせて形を変えながら続いてきた文化だということが分かります。第一次ブームと現在では消費者層も理由も異なり、だからこそ今回のブームには持続性があるんです。
市場データが示すとおり、古着市場は今も成長を続けています。メディア露出の減少は、古着が日常に浸透した証拠。
「個性表現、環境配慮、コストパフォーマンス」多様なニーズに応える古着は、もはやファッションの定番として根付いています。
2026年以降も、爆発的な成長は落ち着くかもしれませんが、文化として定着していくでしょう。古着ブームに「終わり」はなく、形を変えながら、これからも進化し続けるはずです。


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